岩手県の野球事情

  夏の風物詩ともいえる高校野球.応援団リーダにとっては事実上この舞台が最後の大仕事となります.ここで岩手県の高校野球の現状について述べさせてもらうと,県大会への参加校は現在90校で,規模は全国的に見てちょうど真ん中くらいと言えますが,野球のレベルは他県に比べると明らかに低いです.(岩手の場合,野球に限らずどのスポーツもレベルが低く,それだけに世界レベルでの選手が県内から出た場合,英雄のように扱われます.サッカーのワールドカップ日本代表に小笠原満男選手(県立大船渡高校出身)が選出された翌日,地元紙の一面はこの話題だったようですし,岩手競馬所属の馬が地方に在籍したまま中央競馬のGJを制覇した翌日の地元紙一面が,競馬なんて時もありました.これは,東京で言えば東京新聞,愛知で言えば中日新聞の一面が競馬になるようなもので,まずありえないことだと思います)レベルが低い分,各校の実力は拮抗しており,他県に比べれば公立校にも甲子園出場のチャンスがあると言えます.(M)


応援事情

  野球の応援系体に関しては,大きく分けて「吹奏楽応援」と「バンカラ応援」の2つに分類できます.「吹奏楽応援」はその名の通り,吹奏楽を使用した応援の事を指すわけですが,県内で吹奏楽のオリジナル曲を持っている高校はほとんどありません.つまり,各高校で使用される曲のほとんどが,誰でも知っているポピュラーでメジャーなものというわけです.対して「バンカラ応援」は,基本的には吹奏楽を使用せず,リーダーのタクトに合わせ,和太鼓と生徒の声で応援します.そのため,「ノリづらい」「単調だ」などといった批判の声が県内のバンカラ校では毎年挙がるようで,水沢高校も例外ではありません.しかし我々の代,そして先輩方は,「応援」という行為の本来の目的を果たすために,これがもっとも適している形態であると考え,このような応援スタイルを貫いてきたわけです.
  「音量」という指標で比べた場合,吹奏楽を使用している高校,特に甲子園に出場経験のある高校にははっきりいって勝てませんが,目(耳)に見えない(聞こえない)指標,つまり気持ちの面で比べた場合,水沢高校の応援はどの高校にも負けていないと思います.
  そのような中で,水沢高校には「ウ・コール」と「インディアンコール」という2つの名物応援があります.この2つは我が高校の応援の中では異彩を放っており,これらが鳴り響くと,球場全体が一気に盛り上がります.「ウ・コール,インディアンコール」=「水高の応援」と認識される方も多いのではないでしょうか.通常,「ウ・コール」は3回攻撃時,「インディアンコール」は7回攻撃時に使用されますが,現在ではプロ野球で言う「チャンステーマ」のようなものとして使用されているようです.両応援を文章で説明するのは非常に難しいので,ぜひ1度生で見ていただきたいです.(M)


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